HOME > ↳ 子供を賢く育てる > title - それでも日本人は戦争を 本
Article
それでも日本人は戦争を 本
2021/ 05/ 18
日本の歴史のテストというと年表と、その時にあった事柄を丸暗記するような問題が多いと思うのですが
その事実が歴史として残るには紆余曲折があるようです。
歴史の中で一番の汚点というと「戦争」があるのですが、これは敗戦国になったから汚点であって勝ち続けていれば美談にもなってしまう、恐ろしい解釈の仕方が戦争。
戦争とは、そーいうものです。
そもそも、何で今さら戦争の歴史を振り返っているかというと防衛のためとはいえF35やオスプレイを導入したり、普天間基地問題、Jアラート、韓国徴用工問題など過去も現在も含め戦争の準備が着々と進んでいるように思えて嫌になる。
それよりも早く少子化対策に着手し、これ以上、人口が減らないように予算を編成して欲しいものです。
話はそれましたが戦争の中でも日本が絡んでいる戦争として日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦のことが書かれた「それでも日本人は戦争を選んだ」が実に興味深い。
〇〇年に戦争が起きました~という歴史本ではなく、戦争に至るまでの経緯が女性目線でやんわりと時には力強く書かれている。
著者は加藤陽子さんという東大の教授
学校の教科書と違い時系列に誰誰がこういう態度や意見を示したため戦争のきっかけになったという経緯が分かりやすく書かれています。
その延長線上が戦争という決断です。
気に食わないからいきなり大砲を打ち込むということは日本では考えにくい、ちゃんと経緯があって結果があります。
日清戦争の時にはあの福沢諭吉さんが「脱亜論」を書いて発表していますが
諭吉先生は朝鮮からの留学生を大切にしていた人物なので少し違和感を感じます
日露戦争の時はロシア側をドイツとフランスが応援し、日本側にはアメリカとイギリスが応援してくれます。
日露戦争では開戦に積極的な勢力がありましたが桂内閣はどちらかというと日ロ交渉への期待の方が大きかったようです。
外交交渉がまとまっていれば開戦には至らなかったのに交渉の結果、開戦に至ってしまいます。
第一次世界大戦後の日本の領土は樺太の南半分、韓国を併合、山東半島の利権と南洋諸島を獲得しています
満州事変と日中戦争では満州事変では「起こされた」日中戦争では「起こった」という言葉を使っています
満州事変の二か月前のアンケートでは88%の東大生が「武力行使の正当性を「然り」」と解答しています
太平洋戦争では日本の高い操縦力が真珠湾攻撃を成功させたと言われている
ドイツは共産主義を倒すため中国との取引を捨て日本を選んでいる
持久戦のできない日本は戦争をやる資格のない国と言い切った水野廣徳は国家の安全を深く考えていた軍人でもある。
戦争のことが理解できない人や「なんで戦争するの?」という学生さんが読むには理解しやすい本だと思います。
また年表を丸暗記するよりも時系列で読んだ方がより多くの知識を得ることができるのではないだろうか。
軍人の書く文章って漢文や草書体のものが多く現代の人には暗号のように分かりにくい、読みにくい。
そんな悩みもちゃんと丁寧に解説してくれているあたりは女性らしい優しさで戦争というものが理解できるようになっています。
楽天 → それでも、日本人は「戦争」を選んだ
アマゾン → それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)
書籍「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」には、たくさんの参考文献が登場しています。
この本で理解しがたい、またはもっと知りたい、と思った方は参考文献も参考にしてはいかがでしょうか。
本のタイトル名のみ記載しています。
書籍によっては中古本も多いようです。
序章 日本近現代史を考える
リンカーン演説集、アメリカの歴史3、二十世紀の戦争と平和、戦争論、憲法とは何か、歴史とは何か、誠実という悪徳、危機の二十年、見る・読む・わかる 日本の歴史、歴史の教訓
一章 日清戦争
近代日本の戦争と政治、戦争の日本近現代史、変容する近代東アジアの国際秩序、世界のなかの日清韓関係史、朝貢システムと近代アジア、大系 日本の歴史13 近代日本の出発、山県有朋、客分と国民のあいだ、近代日本の東アジア政策と軍事
二章 日露戦争
植民地、日露戦争史、旧外交の形成、朝鮮王妃殺害と日本人、立憲国家と日露戦争、日露戦争研究の新視点、日露戦争の時代、中国近代外交の形成、東アジア国際政治史
三章 第一次世界大戦
大正期「革新」派の成立、日本陸軍と大陸政策、理念なき外交「パリ講和会議」、講和の経済的帰結、戦争の日本近現代史、戦争の論理
四章 満州事変と日中戦争
蒋介石と南京国民政府、丸山眞男の時代、総動員帝国、近衛新体制、松岡洋右とその時代、満州事変とは何だったのか、近代日本の外交と政治、大正デモクラシー体制の崩壊、危機のなかの協調外交、中国国民政府の対日政策、模索する1930年代、満州事変から日中戦争へ シリーズ日本近現代史5
五章 太平洋戦争
軍備拡張の近代史、草の根のファシズム、戦争の論理、アジア・太平洋戦争 シリーズ日本近現代史6、日本軍のインテリジェンス、日独関係史、幕僚たちの真珠湾、「大東亜戦争」の時代、淵田美津雄自叙伝、満州移民、餓死にした英霊たち
合わせて読みたい、日本の戦争と歴史
日本国紀 評判 百田尚樹とはどのような人か
戦争の引き金になったと言われるハル・ノートとは
今さら聞けない 核分裂と核融合の違い
テロから身を守るには
自衛隊によるスクランブル発進が過去最多